楽屋暖簾は歌舞伎役者や長唄の師匠、三味線や舞台に出演する人たちの
楽屋口に飾り、目隠しと自分の屋号をアピールするために古くから
伝わった布になります。
例えば歌舞伎役者ならば家紋をあしらって自分の名前を抜き染めしたり、
特徴的なシンボルを印字するなどイメージを大切にしているのです。
歌舞伎役者だけではなく舞台に登壇する落語家でも、自分の着物の色と
同じのれんを誂えたりします。
麻や綿を打ち込んだ生地で出来ており、しなやかで丈夫なことがメリット
になるのです。長く使うものだから大切に扱われて、時には代々何十年も
同じのれんを使用し続けます。看板と一緒で親子子孫代々引き継いでゆく
代物なのです。
通常の水引きや長のれんなどはデザインのためや目隠し目的で使用されて
おりますが、いわば看板であることから屋号を表示した老舗店と同じような
意味合いになっております。
価格と相場は通常も物よりも高く、職人が染料を使って丁寧に一つ一つ作る
のでコストは高くなり、通常でも10万円前後すると言われているのです。
しかし長持ちして10年は軽く使えると言われており、古くなって風格が出ると
その人も一人前だと言われます。和の伝統のアイテムです。
のれんの重みや意味とは
歌舞伎役者や落語家など舞台に登場する芸者たちの控室である楽屋には、
その人の家紋やシンボルを入れたのれんがかけられており楽屋暖簾と言う
名前で呼ばれております。
祖父の代から代々大切に使っていたり、役柄ごとに新調するなど晴れの日の
舞台のための演出のために存在しているのです。
デザインはさまざまでありますが、多色使いよりもシンプルな抜き染めの
モデルが多くあり、花がデザインされていたり芸名が表示されていたり
楽屋口を区別する意味でも使われてきました。
たとえば講演会の一同が舞台の記念でプレゼントすることもあり、縁起の良いアイテムだと言われております。
また先輩から贈り物で頂くことで新人が認められたり、
新しい門出になるなどの背中を押してくれるような存在でもあり正に看板なのです。
自分の信頼を背負っている意味で泥を塗らないように、仕事に精を出して観客を楽しませなければなりません。
人間の人生は長くても約100年になりますが、屋号と看板は
その仕事がある限り生き続けます。
のれんは屋号であり先祖が守ってきた信頼の証として存在しているからこそ、
重みがあり無形の財産になるのです。
こうした意味は経済の用語としても良く使われております。